ショパンのスペインでの関わりの舞台は、バルセロナから空路約50分、地中海に浮かぶ島・マヨルカ島です。1838年、当時病身のショパンは、作曲活動を兼ねて療養のため、恋人でパリ社交界の花形として知られた作家の「ジョルジュ・サンド」と人目を避けて、島の中心都市パルマから北へ18kmのところにある小さい村でひと冬を過ごしました。
彼らが住んでいた「カルトゥハ修道院」は彼らが過ごした部屋がそのまま博物館として、ピアノや手書きの楽譜のほか生活の品々が残されています。ショパンは、ここで名曲「雨だれ」を作曲しました。
ショパンがやってきたマヨルカ島は、雨が少なく年間300日は晴の天気が続くという地中海独特の気候を有しています。私たちが訪問したのは3月でしたが、着いた日は、快晴で、非常に暖かく感じました。
晴天の日が多いマヨルカ島
海岸には、大きなヨットハーバーがあり、夏は避暑地として多くの外国人客が訪れ、にぎわうということです。
①「ビックリするくらい大きな大聖堂(カテドラル)」
マヨルカ島の首都・パルマで一番目立つのは、1601年に完成したゴシック様式の大聖堂です。天井が高いのが特長で、中央部の高さは44mもあるということです。中央祭壇にある鉄製の天蓋飾りは、スペインが生んだ建築家アントニ・ガウディ(後ほど詳しく紹介)の手によるものだということです。
②「アルムダイナ宮殿」
この宮殿は、カテドラルの隣に位置し、存在感を見せつけていて、ロマネスク様式の礼拝堂などが見学できます。建物は14~15世紀にかけて建設、その後宮殿に改修。現スペイン国王の夏の公式滞在地となっているということです。
③「ドラック洞窟(ポルト・クリスト港町)」
パルマから東へ約70kmの港町の郊外にある、島で一番大きな洞窟です。
この洞窟には、水量の豊富な湖があり、湖に浮かべた、静かに動くボートの上では、音楽演奏が行われます。
会場には観覧席が設けられ、観客はその一部始終を見られるようなっています。音楽演奏は約10分間。
(この洞窟へ向かう途中のバスからは、道路の両側に、この地域の名産のアーモンドやオリーブの畑が続き、畑にまく水をくみ上げるための大きな井戸が点在する光景が見られました。
「ショッピング」は、島といえども都会並み。
中心都市パルマには、毎年多くの外国人客が避暑でやってきます。このため、市内のファッション店やバッグ店などは店内のほとんどが綺麗で、雰囲気も良く、最新の流行ブランド商品を並べて、歓迎しています。店員の応対も大変良かったという印象です。女性軍にとってはショッピングが楽しそうでした。
支払いはユーロ、またはカードでOK!免税の手続きもしてもらえ、すべて英語で対応できた。
また、チョコレート屋さんでは、美味しそうな多くの種類のチョコレート製品を用意。店員さんも美人で非常に気さくに対応してくれ、写真におさまってくれたりしました。
ランチは、天気が良かったので、屋外でテーブルを囲み、ピザ、パスタなどを適当に注文。(量が多いので、何人かでシェアして食べました)飲み物はコーヒーなど自分に好きなものをそれぞれとって、地中海に降り注ぐ太陽のもとで、大声で話しながら、地元の人たちがやるように陽気に楽しんだ。
バルセロナは、地中海に面したスペインの第2の都市で、カタルーニヤ州にあり、州都として、独特の歴史や文化・芸術を育んできたほか、陸海空の交通の要衝として発展してきました。1992年には、この地でオリンピックも開かれました。
バルセロナの街歩き方は、旧市街の中心部のカタルーニャ広場から、港の中心「コロンブスの塔」を結ぶ「ランブラス通り」を歩くことから始めると、自分が行きたいところがどちらの方角にあるかが分かります。時間があり、歩行に支障がなければ、目的地に行くまでの間の「教会や博物館、美術館など」に立ち寄りながら行くことができます。
カタルーニャの広場には、インフォーメーションセンターもあり、そこに立ち寄って、交通機関が乗り放題、多くの施設の見学が割引になるチケットを買い求めて施設を見学することも可能です。このチケットのことを「バルセロナカード」といっており、2日間有効2日券からあります。バルセロナについた日に買った方がよいかと思います。
バルセロナカードの「2日券」
(それでは、バルセロナの見どころをお伝えしましょう。)
特に、驚かされるのは独特の建築物ではないでしょうか?
その代表的な建築物はカタルーニヤ州が生んだアントニ・ガウディによって作られた曲線美を持つ作品で、多くの人々を魅了させてくれます。
サグラダ・ファミリア
東側は「キリストの生誕」、西側は「キリストの受難とその死」、そして南側には「キリストの栄光」をそれぞれ表現させています。
「キリストの受難とその死」(建物西側)
完成しますと独特の形をした18の塔が空にそびえ、その高さは100mを超えるということです。この建物を見ようと、年間数百万人以上が見学に訪れていて、スペインのピカイチ観光名所になっているということです。
この公園は、当時土地を所有していた伯爵がガウディに依頼し分譲住宅を60戸建設する予定にしていましたがその分譲住宅へのニーズがなく、未完のまま市に買い取られ、ガウディや弟子らによって公園として建設されました。
公園の入れ口では、童話の世界を連想する「お菓子の家」に似たメルヘンチックな建物が訪れる人々を出迎えてくれます。そして公園内の構築物のすべてがガウディ独特の曲線的なセンスを生かし、飽きることのない公園を演出しています。
②「カサ・ミラ」(世界遺産)
この建物は、直線的な部分を一切捨て、ガウディの持ち味である曲線美を生かして建てられた建物で、今もアパートとして利用されています。
曲線美豊かなアパートの模型
この建物面白さは、屋上にもあります。屋上は「山」をテーマに一見テーマパークのように、色とりどりで数多くの形の違ったオブジェが屋上の空間を飾っています。オブジェの中の空間を利用してその奥にある「サグラダ・ファミリア」が見えるなどの工夫を凝らした演出もあり、屋上からの市街地の景観もいろいろなアングルから眺めることができます。
ガウディのスケールの大きな建築物を見た後は、美術館めぐりも楽しめます。
ピカソ美術館では、ピカソが絵を描き始めたころどのような絵を描いていたのか、その後どのように画法が変わっていったのか、その変化が分かり、大変興味をひきたてられます。
スペインで「鑑賞」といえば、やっぱり伝統的な踊り・フラメンコ。
バルセロナにも、フラメンコが観賞できるいくつかの店があり、そのうちの2か所でフラメンコを観賞しました。いずれもTablao「タブラオ」と呼ばれるフラメンコを見せるレストラン(ショー+お食事、またはショー+ドリンクの2通りのチョイス)で1つ目は大きなステージを持つ「コルドベス」という名のお店で比較的年季の入ったメンバーによるショーを鑑賞、ダンサーが陶酔の世界に入り、激しく体を震わせるなどそれぞれ独特の動きに、しばし時を忘れて見入ってしまいました。
また、別のもう一軒は、
「ロス・タラントス」という老舗のお店で、将来を担う若手のフラメンコダンサーやミュージシャンたちが毎晩日替わりで30分間のライブショーを行っていて、リズムに乗って俊敏に腰や手を動かし、ステップして床を鳴らす、迫力あるフラメンコをすぐ近くで見ることができました。
旅の最終日、旅のメンバー全員が参加して夕食会を行いました。
この際利用したのが「セッテ・ポルタス(7 PORTES)」という名のレストラン。このレストランは、1836年に創業したバルセロナ最古で、ピカソやダリなど著名な芸術家が通っていたというお店でした。
ここの名物は、お米料理。パエリアやアロス・ネグロ(イカ墨ご飯)を中心に魚介類たっぷりのカタルーニャ料理の味をかみしめました。
突然流しのギタリストが入ってきて、日本人を歓迎するとのコメントがあり、皆で合唱しようと、「シエリトリンド」の伴奏を始めました。
私たち旅のメンバーは、皆さん音楽好き。早速これにこたえてメンバーが気持ちよく合唱、差し出された帽子にそれぞれ気持ちを入れて、歓迎にこたえ、短い時間ではあったけれども、ギタリストとの交流を楽しんだ!
「サン・ジュセップ市場」(地元では「ボケリア」と呼ばれている)でスペインで最も大きな市場です。カタルーニャ料理には欠かせない、ナッツ類をはじめ、果物野菜、魚介類、動物の肉など、品物が豊富で、見ているだけで楽しくなります。
市場の中には、スペインの料理を提供する「バル」があります。訪ねた時は朝早かったので「バル」はまだ開いていませんでした。私はここでナッツ類を沢山買い求め、お土産としました。
スペインでは、国の財政難などで景気が悪く、失業者も多く、犯罪も頻繁に起きているということです。観光客は絶えず狙われていると言っていいようです。とにかくどこから我々を見ているのか、絶えず荷物をしっかりと押さえ、周囲への注意を怠り、うっかりすきを見せると狙われてしまいます。
・その手口と被害状況
実際に被害にあった状況は、突然歩行中に脚をかけられて、体のバランスが崩れたところを男数人に狙われ、ズボンの後ろポケットに入れていた携帯を奪われたということです。手口は、数人のグループで組織的にやってくるので、1人ではどうしようもありません。
ズボンの後ろポケットには、金目のもの(貴重品)は入れないこと。
彼らの目はどこに向けられているか(グループで仕掛けてくる!(単独は少ない)ターゲットを決めて狙ってきます。
こうした手口は、単にスペインだけで行われているのではなく、外国では、絶えず巻き込まれやすいと決めて、注意していなければならないと強く感じた次第です。
スペインへの旅では、「行き」は成田からスペインの沖に浮かぶマヨルカ島に到着する予定でフライトが行われた。
この際のルートは、成田を出発して、まずドイツのフランクフルト空港で1回目の乗り継ぎ、スペインのバルセロナ空港へ(この際、航空会社が同じルフトハンザでしたのでスーツケースはスルーで)。バルセロナでは2回目の乗り継ぎを行い、別の航空会社の便で(スーツケースは乗せ換え)マヨルカ島に到着しました。
「帰り」は、バルセロナからドイツのフランクフルトで1回乗り継ぎを行い、成田に到着。
特に、1人で外国旅行をする際は、目的地まで乗り継ぎがある場合でも、同じ航空会社を選ぶと、乗り継ぎの場合いちいちスーツケースをピックアップしなくても済むというメリットがあります。