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 北海道”自然&観光”情報

 「アイヌ文化の学び・伝承・発信基地! “絶品!白老牛”」(白老町)

■白老町

   白老町は、北海道の南西部、工業地帯の苫小牧市と、地獄谷や温泉で知られる登別市の中間に位置し、札幌の中心部から、高速道路を使用して約70㎞の距離(所要時間にして約60分)にあり、JRや国道も利用できるなど交通網が充実した地域にあります。
   
   また、町の面積の75%が森林で占められていて自然に恵まれているほか、北海道を中心に発展した先住民族であるアイヌの人々によってもたらされたアイヌ文化を学び、継承、発信する基地として、「ウポポイ(民族共生象徴空間)」と呼ばれるアイヌ文化を知らせる施設が2020年(令和2年)、国によって建設されています。
   こうしたアイヌ文化の町を反映して、街中では、アイヌの木彫りや詩集などの工芸品の創作が盛んなほか、アイヌ文化のシンボルである文様が様々な所で見られます。
   
   特産品としては、ブランド牛の「白老牛」が知られています。
   
   そのほか廃校になった校舎を様々な形で利用する動きも見逃せません。白老町には、述べてきましたようにほかの地域にはない魅力が沢山あり、そのいくつかを以下にご紹介しましょう。
 

■魅力(注目)


▼魅力その1・・・「恵まれた自然・・・見て体験して感動!」

   町の北側には、支笏・洞爺国立公園の地域内の樽前山、ホロホロ山、オロフレ山など1000m級の山々が連なり、その麓に広がる南側は太平洋に面しています。特に支笏・洞爺国立公園区域に属している市町村では、札幌市、千歳市に続いて3番目に広い面積を誇っています。

   この国立公園内でちょっと面白いのは、虎杖浜地区にある「クッタラ湖」です。クッタラ湖は、周囲が8㎞、流出や流入する川のないカルデラ湖で、日本一「丸(まる)」に近いといわれるほど円形をしています。さらに透明度が高く、神秘の湖として知られています。

   このほか公園内には、日本の滝百選のひとつである「インクラの滝」などもあり、人気の観光スポットとなっています。

   また、町の中心部に近いところには森に囲まれたポロト湖があり、地元の人々が朝の散歩がてらにと手軽に利用している安全・安心な散策コースがあるほか、バンガローを備えたキャンプ場なども整備されています。


      散策コース(ポロトの森)

  キャンプ場のバンガロー(ポロトの森)

   訪れる人々の宝物ともいえる恵まれた森と湖という自然のロケーションの中でアウトドアを楽しむ人たちの人気を呼んでいます。



▼魅力その
2・・・「北海道・白老のルーツ知る貴重な施設がある!」

①【アイヌ文化を学び、継承、発信する施設!・・・『ウポポイ・NATIONAL AINU MUSEUM』】

   日本の時代の移り変わりをたどると、本州では、縄文時代に続いて弥生、古墳、飛鳥、奈良、平安、鎌倉などと時代が移り変わり、各時代を象徴する文化が栄えました。ところが白老など北海道では、本州とは異なった時代をたどり、縄文時代のあと、続縄文、擦文・オホーツクといった文化期が続き、本州の鎌倉時代後期に当たるころ、新たな文化がお目見えしました。それがそれ以来長い間、幾多の困難を乗り越え、今も北海道内で継承されている、アイヌの人々による「アイヌ文化」です。


アイヌ文化を伝えるクマや品々(国立博物館)

   狩猟や採取生活を中心に、クマに対する信仰が厚く、すべてのものに神が宿っているという独特の文化を持っており、ここ白老町にも、アイヌの人々のコタン・集落(現在の町役場付近を中心に)がありました。


 アイヌの人々のコタンがあった白老町役場

   白老町の中心部近くにあるポロト湖岸一帯の地域には、この貴重な「アイヌ文化」を学び、伝承・情報発信する施設(基地)として、2020年(令和2年)に愛称「ウポポイ」(アイヌ語で“みんなで歌いましょう”という言葉)が、アイヌの人たちと国によって設立され、敷地の中には、アイヌ民族の文化を知ってもらうためのすべてが集約されています。


 「ウポポイ」のフロント(正面は国立博物館)

   アイヌの人々の生活様式、儀式の用具、独特の文様を施した衣服などを展示した「国立アイヌ民族博物館」をはじめ、チセト呼ばれる住まい、延々と受け継がれてきたエキゾチックな伝統の様々な踊り、それに独特の楽器による演奏なども披露されています。


       アイヌ民族独特の着物

     アイヌ民族の住まい・チセ

      アイヌ民族の伝統の踊り

   この施設には、多くの外国人観光客なども足を延ばして来ていて、異色のアイヌ文化を堪能しています。


②【白老のルーツを知る施設!・・・仙台藩白老元陣屋資料館”】

   白老町では、ひと昔前どんな動きがあったのでしょうか?
   例えば、どうして立派な陣屋跡が残っているのか?何のためにできたのかが知りたくなります!

   こうした地元の歴史を語ってくれるのが「仙台藩白老元陣屋資料館」と陣屋跡です。陣屋跡は、今も春先には桜も咲き乱れる木立に囲まれた素晴らしいロケーションの一角にあります。


     仙台藩白老元陣屋資料館

       陣屋跡の見取り図

   江戸時代末期、1856年(安政3年)北方・ロシアからの侵略を恐れた幕府が、それから守るための拠点として、仙台藩に命じて白老町の今の陣屋町に陣屋を構えたもので、この年が白老町の開基、始まりの年ともなります。
   
   結局、北方からの侵略などはありませんでしたが、当時の幕府がどのような考えで、白老に北方防御の拠点を置いたのかなどに興味がわきさすし、白老町の誕生のルーツがわかります。


 
▼魅力その3・・・「街中はアイヌ文化でいっぱい!」


①「アイヌ民族の工芸品・木彫り創作!」

   白老町がアイヌ文化の拠点ということで、街中には、伝統のアイヌ民族の木彫りや刺しゅうなどの製作が盛んです。

   中には古くから創作活動を続けている木彫り師の集団が運営する工芸館・「荒井工芸館」では、木彫り師たちが独自の発想で製作した、想像を越えたアイデアをつぎ込んだ作品が次々に生まれ、展示・販売されています。


  「荒井工芸館」入口のシンボル木彫り

    展示された木彫り作品の数々
   
    このほか、白老の観光の拠点、観光協会などが入っている「ポロトミンタラ(観光インフォーメーションセンター)」の販売コーナーでは、木彫り製品のほかにアイヌの文様の入った様々な工芸品などが並べられ、買い求めることができます。


「ポロトミンタラ」(観光インフォーメーションセンター)

    アイヌ民族独特の文様の品物

    販売コーナー(ポロトミンタラ内)


②「アイヌ文化発信のマチ中では・・・!」

   白老のマチ中では、アイヌ民族のシンボルの文様などを施して、アイヌ文化を伝えるまちとしての取り組みがそれぞれの立場で行われています。郵便ポストをはじめ、コインロッカー、お店の扉などにアイヌ民族の独特の文様が描かれているのが見られました。


   文様の入った郵便ポスト(町役場前)

         ロッカーにも文様

 ▼魅力その4・・・「特産物は・・・絶品!白老牛」

   1968年(昭和43年)に全道総合畜産共進会で白老産の和牛が最高の賞を授与され、和牛の生産地としてその名が知られるようになりました。そして平成18年には、「白老牛」として商標登録され、地域ブランドとして、様々な品種改良を重ねて、より優れた和牛を、全国に送り出すまでになっています。


       放牧される「白老牛」

   この白老牛は、現地の牧場の直営店や市内のお店で、バーベキューをはじめ、ハンバーグカレーやハンバーガーなどに調理され食べることができます。

   また白老町では、毎年6月に「白老牛肉祭り」を開き、バーベキューコーナーを設けるなどして、フアンを集め、特産品のPRに努めています。

   このほか海産物では、虎杖浜地区で作られるスケソウダラの卵を加工して作られる「たらこ」が知られています。

 ▼魅力その5・・・「廃校の利用法はあるものだ!」

   町内では、地区の産業の衰退とともに、人口減少が進み、小中学校の廃校も少なくありません。こうした廃校を利用する動きも注目されます。


①「飛生(とびう)アートコミュニティー」

   このコミュニティーは、竹浦地区にある廃校になった旧飛生小学校の建物と周辺の森を活用して、1986年に全道から世代を越えたアーティストが集まって設立した「共同アトリエ」です。かつての教室なども利用して、作品の制作に取り組んでいます。


アーティストの「共同アトリエ」旧飛生小学校

   毎年9月には、アーティストが一緒になって「飛生芸術祭」というタイトルで、自らが制作した作品の展示や森の中という自然を活用したオブジェを制作して展示するなどして、訪れる人たちに見てもらおうと、イベントを開いています。

   2025年は、9月7日から15日まで「飛生芸術祭」が開催されます。


②「ナチュの森」

   ナチュの森は、民間のスキンケアメーカーが運営するエリアで、このエリアの中にある廃校となった旧虎杖浜中学校の校舎は、現代のライフスタイルに合わせて再生、いわゆるリノベーションされて、カラフルな明るい建物に生まれ変わった姿で利用されています。


  リノベーションされた「旧虎杖浜中学校」
   
   運営会社では、この建物を親子で楽しむ体験型施設“自然科学のミュージアム「森の工舎」”と名付け、親子に利用してもらっています。


▼魅力その6・・・「街中のガイドはおまかせ!」

   白老の魅力をお伝えしてきましたが「白老の魅力・白老の良さ」をもっとわかりやすく、楽しくガイドしてくれるところがあります。それは、白老観光協会に事務所を置く 「白老おもてなしガイドセンター」です。


 「鹿の角で傷ついた木」を説明するガイド
   
   一般的なコースガイドはできていますが、観光客のニーズにも合わせてガイドしてくれます。白老町に来られる際は、予約する時に、白老のどういうところを観光したいのか、あらかじめ相談をしておくと、楽しい旅の思い出作りができます。



■取材協力・画像提供

▽白老町観光振興係                   TEL:0144‐82‐8214

▽白老観光協会・白老おもてなしガイドセンター   TEL:0144‐82‐2216
  




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