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 ”地域づくり”現地ルポ

「児島ジーンズストリート」  (岡山県倉敷市)  
   国産ジーンズ発祥の地・岡山県倉敷市児島地区(こじま)では、かつて栄えた味野商店街(あじの)に賑わいを取り戻そうと、「ジーンズ」を前面に押し出した「児島ジーンズストリート構想」が進められています。
   ストリートには、ジーンズ店を含む23の店が開店(平成26年・2014年1月の時点までに)、新たに店を出したいという経営者たちがいるほか、商店街でかつて商いをしていた人たちの中に、再び開店させる動きも出始めるなど、大きな波及効果をもたらし、シャッターが下りていた商店街が活気を取り戻す勢いを見せはじめています。
  「Oh! 元気 ねっと」では、「児島ジーンズストリート」という「地域づくり」を成功に導くために、今後、どのように魅力的な商店街を形作ろうとしているのか、またどのような戦略で客を呼び込もうとしているのか に注目しています。

「児島ジーンズストリート」はどこに 

本州と四国を結ぶ「瀬戸大橋」
 ▲場所 
  「児島ジーンズストリート」づくりは、瀬戸内海に面した岡山県倉敷市の南部、四国とを結ぶ瀬戸大橋の本州側の玄関口・児島地区で進められているもので、その場所は、かつて児島地区で最も栄えた「味野商店街」の中です。 






歓迎アーチ(ジーンズストリート)
 ▲「ジーンズストリート」づくり
  長さはのべ400m。ストリート地区に入って、上を見ますと着古されたジーンズによる歓迎アーチが”ようこそ!”とばかり迎えてくれます。ストリートは「かつての古い町並みの続くレトロ感あふれる部分」と「比較的新しい建物が目立つ、広い道路を持った部分」の”新しさと古さ”2つの顔を持ち合わせています。ここに「児島ジーンズ」の店を中心に誘致して、魅力ある商店街を形成しようという、「児島ジーンズストリート構想」プロジェクトが進行中です。



  児島でどうしてジーンズが作られるようになった?

国産ジーンズ開発の歴史を伝える資料
 ▲綿花の栽培から繊維産業
  児島のジーンズを語るには、400年前を振り返らなければなりません。商工会議所によりますと、
児島地区は、かつて海に浮かぶ島でしたが中国山地を源とする高梁川(たかはし)など3つの大きな河川が上流から運ぶ土砂や干拓によって陸続きになったということです。当時、土壌は塩分が含まれているために、稲作には向かず、温暖で雨が少ないことから塩分に強い「綿花」が栽培され、その「綿花」が繊維産業を盛んにしたきっかけになったといわれています。
  長い歴史の中で、「素材から、染め、織り、縫製、洗い、加工まで、すべての技術とノウハウ」が育まれて、全国的に知られる「学生服ブランド」を生みました。  

老舗のジーンズメーカーの工場
 ▲国産ジーンズ発祥の地
  ファッションが多様化する中で、児島の「ものづくりの技術」は、さらに脚光を浴びます。
  1965年には、国産ジーンズが誕生。
  1970年代にはメーカーが次々に産声をあげて個性的な製品を生み出すなど、現在は、200社以上のジーンズ関連企業が集積。
「国産ジーンズ発祥の地」としての地位をゆるぎないものにし、成長を続けています。
  


  
  そんな中、「ジーンズ」がシャッター商店街に寂れてしまった児島地区で最大の繁栄を見せた味野商店街に、にぎわいを取り戻す切り札として選ばれました。

  
「児島シーンズストリート」づくりのきっかけは・・・!
   「児島ジーンズストリート」づくりのきっかけとなったのは、全国のジーンズ愛好者からの声でした。「児島に行ったけれどジーンズを買い求められる店も少なくて期待外れだった」などの「声」でした。この「声」に反応したのは、地元の児島商工会議所でした。
 

児島商工会議所
 ▲ 児島商工会議所
  商工会議所は、児島のジーンズメーカーに声をかけ、かつての商業の中心地・味野商店街の空き店舗に店を誘致、児島のものづくりの技術から生まれた宝物・「ジーンズ」を前面に押し出した魅力ある商店街づくり(地域づくり)を進めることによって、かつての賑わいを取り戻すことができるのではないかと、2009年「児島デニム協同組合」と協議。
 

  
 「児島ジーンズストリート推進協議会」を発足させ、早速、空き店舗への誘致活動を展開、商店街の活性化・地域づくりに向けて動き出しました。  

   最初に進出したジーンズ店
 ▲増えるジーンズ店
  ジーンズ店の誘致については、味野商店街と児島商工会議所が協力をし、商店街の空き家の状況を把握、出店したい経営者の相談や誘致活動の相談にあたっています。
  ジーンズ店の出店は、トップを切って地元のジーンズメーカー「桃太郎ジーンズ」がかつての郵便局だった建物を改装して販売店を開店したのをきっかけに、お店は年ごとに増え、これまでに23店(平成26年・2014年1月の時点までに)、さらに4つのジーンズ店が出店のため空き家を待っている状況です。 


 ストリートを魅力的に・・・集客対策も

レディーズファッションの店をアピール
 ▼各店の取り組み
  各店では、独自色を出してお客さんを呼ぼうとあの手この手の作戦を展開しています。
  各ジーンズの店では、レディー向けや子供向けの専門店をキャッチフレーズにしたり、ジーンズのポケットの位置や形を工夫するなどこだわり派の愛好者をターゲットにした製品やグッズを並べて、それぞれ特色を出そうと懸命です。





 

2014年にデニム色で美装化される道路 
 ▼行政の取り組み
   ストリートのうち、古い町並みが残る地区では、行政などによって、これまでに、重苦しいアーケードが取り除かれ、道路が御影石風に改修されるなど、開放感あふれる通りへと生まれ変わり始めました。   さらに、2014年2月から3月にかけて、ストリートのうち「比較的新しい建物が建つ部分」の道路は、デニム色で美装化し、魅力を高める工事が行われます。




「せんいのまち児島フェスティバル」(2013年)


 ▼集客対策でイベントにも工夫
   ストリート構想を推進する商工会議所では、関係機関などに呼びかけて、児島地区で開催される多くのイベントの際、ストリートへ客を誘導できるような取り組みを進めています。
 例えば・・・
   「せんいのまち児島フェスティバル」、「せんい児島大橋まつり」という大イベントや、JR児島駅周辺の商店を中心とする児島駅前商店街連盟が毎月最後の日曜日に、児島の特産品を販売したり、グルメを提供したりする「三白市」を開催したり、それぞれの持ち味を生かした取り組みで、来児の観光客を回遊させるルートを作るなど、工夫を凝らしています。
   こうした店の魅力づくりや集客によって、土日・祝日を中心に年齢を問わず多くの客が訪れ、それぞれ好みの製品を置いている店に立ち寄って、ショッピングを楽しんでいます。
 「ジーンズストリート構想」進行中 児島地区内では・・・ 

ジーンズづくり体験「(株)ベティスミス」
 ▲ジーンズ工場では・・・
  ジーンズストリートから離れたところにある老舗のジーンズメーカーでは、児島ジーンズに興味を持ってもらう人を増やすとともに、ジーンズの普及を図っていこうと、観光客を積極的に受け入れる取り組みをしています。
  観光客に、工場内でのジーンズの制作風景を近くから見学できるようにしているほか、ジーンズの歴史を紹介する、古いミシンやジーンズなどを展示した資料館を開放しています。
  

   さらに、実際に「ジーンズづくりができる体験コーナー」を用意して、ジーンズの愛好者やモノづくりに興味を持つ人を増やしてゆこうという取り組みもしています。
 
   ▲そのほかの動き・・・児島ジーンズアピール!
  ■「バス会社」
  JR児島駅前から金・土・日・祝日に「ジーンズストリート」や「ジーンズ工場を巡る、ジーンズで彩られたバスを走らせています。

■「タクシー」

  ジーンズの柄をラッピングしたタクシーも走っています。

■「ホテル」

  ジーンズ製のスーツをフロント係の制服として採用。

  こうしたジーンズを巡る動きの中で、「ストリート構想」をさらに前進させるためには、クリアしなけれまならない課題があります。「空き家への店の誘致対策」、「お店や町並みの魅力化」、「ストリートへの誘客」などの課題です。
   児島商工会議所 次長 尾崎 淳子さん(おざき・じゅんこ)
  さまざまな課題がありますが、ストリートの将来を見据えて、課題をクリアしていかなければなりません。

  ①「ストリートへのお店の誘致」

   「ジーンズ店を出したいという希望が多くあるのにもかかわらず、空き店舗を所有している家主との交渉が進んで いないことなど、時間がかかっています。不動産関係者などに協力してもらい、今後も粘り強く働きかけを続けて、   店舗の誘致を増やしたい。、また、ストリートには、ジーンズのお店を重点に、ストリートに相応しい業種のお店を誘  致することを念頭に誘致を進めたい。」
 
  ②「お店や通りの魅力化」

   「全国からもジーンズフアンがやってくる魅力的なストリートにするため、各お店では、ここ児島でしか買えない個性豊かな商品を開発して店頭に並べたり、店内の商品展示の仕方を工夫したりすることも大切になってきます。
また、一部のお店では、こどもやお年寄りに休んでもらおうと、「ベンチ」を置くところも出ていますが、ストリートを
歩く客が楽しく、ゆとりを持って買い物ができるような雰囲気づくりも進めなければなりません。」
 
  ③「お客の誘致対策」

    「客が少ないとして土日・祝日以外はお休みするお店もあることから、ストリートに切れ目なく多くの客に来ていただくようにする誘客対策も重要です。その方法として考えているのは次の2つの点です。」
 
  ■「イベントのやり方の工夫」
   市内で行われるイベントについては、ストリートへはいうまでもなく、周辺の観光地や、商業施設、体験施設などを   絡めたイベントを開催し、滞在時間の長い回遊型のものを模索しています。
  ■「集客力のあるほかの観光地と結ぶ新しい観光ルートの確立」
   例えば・・・「児島ジーンズストリート」と同じ倉敷市内にある、集客力のある”美観地区”との間に観光ルートを確   立、お互いに行き来して、客の流動化をはかり、お互いの地区を訪れる客を増やす対策を進めたい。

  
  会議所としては、以上述べてきたいずれの項目についても、必要に応じてお店や関係機関などと協議し、
  一つ一つ前へ進めて当面する課題をクリアし、「児島ジーンズストリート構想」をさらに発展させたい。


「Oh! 元気 ねっと」の注目点 
  国産ジーンズの発祥の地として、ジーンズという宝物を生かして、かつての商店街に賑わいを取り戻そうという地域づくり・「児島ジーンズストリート構想」の実現に向けて、ジーンズ店も、関係機関も協力し合って、力強く進みだしていることを強く感じました。
 そこで、「Oh!(お)元気 ねっと」は次の点について注目していきます。

明るい店内で買い物をする客
 注目点Ⅰ「魅力的にする」
 ①「ストリート内での”楽しみ方”ガイドを用意」
  ストリートは、どんなところか、どんなジーンズを売る店があるか、飲食するところの案内など、行ってみたくなるような”ジーンズストリートでの楽しみ方”ガイドがあったら良い。
 ②「空き店舗への店の誘致」
  空き店舗への店の誘致は、ジーンズの店を優先にし、このほか の業種は、通りに似あった店を誘致したい。
 ③「ジーンズ店は客に製品を求めやすくする努力」
  それぞれの持ち味を出した特色のある 製品を出すとともに、陳列の方法や価格などにも配慮、客に求めやすくする。

旧野崎家住宅の土蔵群






倉敷川の川舟(美観地区)
 注目点Ⅱ「集客対策」
 ①「近くの名所とタイアップして相乗効果を狙う」
 (説明)
 「Oh! 元気 ねっと」がストリートを訪ねた2013年11月下旬、「国の重要文化財でかつての旧野崎家住宅」を見学にやってきたという高知県宿毛市からの約20ほどの団体客にお会いした。その際、旧野崎家住宅の見学を終えた人たちは、興味深げにストリートを歩き店に立ち寄って、買い物をしていた。旧野崎家住宅は、かつて製塩業で栄えた「塩田王」の暮らしぶりを展示する施設。集客力のある文化財施設を積極的に応援する、あるいは協力してもらい、相乗効果を狙うことも重要ではないかと感じました。事前にやってくることが分かるなら、団体ツアーの主催者にお願いして、できる限り、ストリートでの滞在時間を長めにとってもらう交渉も大事かと思います。

 ②「観光名所も思っているほど遠くない!」
 (説明)
 児島商工会議所でも考えている集客力のある同じ倉敷市内の「美観地区」と「児島ジーンズストリート」を結ぶ観光ルートの確立はメリットが大きく、本格的に進めて欲しいと思うところで、「Oh! 元気 ねっと」も同じ考えを持って、児島にやってきました。
 「Oh! 元気 ねっと」は、2013年11月28日(金曜日)に、この区間を車で走ってみた。ルートは児島市内から瀬戸自動車道・国道2号線を利用して美観地区へ、この間退屈することもなく午後4時近くに到着した。「美観地区」は外国人観光客も含めて、多くの人が訪れ混雑していました。名物の倉敷川の川舟も忙しく動いていました。
  
 ■キャッチフレーズ(例)
 ”国産ジーンズのメッカへ 何分で結ぶ!”  
 「美観地区」から「児島ジーンズストリート」へ

 ③「”児島ジーンズストリートの日”を設ける」
 ストリートをアピールする方法として、まとまってイベントを実施する方法も選択肢として考えられます。テーマを決めて各店そろって一つの事を成し遂げるのも、魅力アップにつながるものと期待されます。

ストリートの人気者「Gパンダ」の看板
 注目点Ⅲ「ストリート内での出来事を発信する」
  ■「ジーンズストリート」の動きを発信する態勢の確立。
  ストリートの中に、新しく店が誕生した、こんなジーンズ製品が登場した、こんな施設ができた、こんな人たちがやってきた、などストリート内でのその日の動き、あるいは何月何日にストリートのどこでジーンズ関係のイベントが開かれなどの情報が分かると、ストリート内での動きが一目で分かり、一層関心が高まります。
  このHPに、あるいはブログに、タッチすればストリートの活気あふれる最新の様子が絶えずわかるような態勢が欲しいところです。
  あちらこちらで単発で出すのではなく、情報を一元化して発進すれば、ストリートのPRに大きな効果を上げるものと期待されます。

「児島ジーンズストリート」
 注目点Ⅳ「ストリートへの目印」は”デニム色と白色”で!
  JR児島駅から「児島ジーンズストリート」へ行くには、徒歩約15分の道のりです。徒歩やレンタサイクルで行く場合に、安心・安全にストリートへ誘導する魅力的なルートを描いてみると楽しくなります。
  表示の方法は「分かりやすく、美観を損ねない」ということで、道標は、標識でも、矢印でも、敷石でもよいですが夢のある、子ども大人も楽しくなるような標識が欲しいですね!その際は、是非「デニムカラー」と「白色」(児島三白・・・綿花・塩・イカナゴ)を使った表示が似合います。


 問い合わせ
 
          児島商工会議所
  「児島ジーンズストリート推進協議会
事務局」
      〒711-0921

       岡山県倉敷市児島駅前1-37
       (倉敷市児島産業振興センター2F)
   
         TEL:086-472-4450
      児島商工会議所HPは「コチラ」から

      児島ジーンズストリート協同組合HPは「コチラ」から
        事務局 TEL:086-441-9127


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